フィンランドを代表するデザイナー、イルッカ・スッパネンの作品集『Lightness: Ilkka Suppanen Design』(共著:グスタフ・シェリン、ラース・ミュラー・パブリッシャーズ刊)の出版記念イベントを開催します。「軽やかさ(Lightness)をデザインする」とはどういうことか......。それは物理的な"軽さ"だけでなく、"重さ"から自由になる思考や形態を含めたクリエイティブのあり方でもあります。
本書は、スッパネンのモノグラフであると同時に、「Lightness」を思考・形態・ 自由の条件として捉えるエッセイ集でもあります。全8章のテーマ構成により、可変性(adaptability)や抽象(abstraction)から抵抗 (resistance)、**解放(liberation)**に至るまで、「Lightness」の多面性を先鋭的な論者たちが考察。各章はエッセイで幕を開け、スッパネンの代表作を厳選して紹介します。また、スッパネン自身による、個人的かつ詩的なヴィジュアル/テキストエッセイが全編に織り込まれ、倫理・デザイン・想像力のあわいを往還する「Lightness」を実存的な姿勢として描き出します。より自由で応答的な世界をかたちづくるデザインの役割に新たな枠組みを与える一冊です。
本イベントのトークでは、本書のデザインを手がけた原 研哉氏と寄稿者の藤原 大氏とともに「Lightness」の多面性について考察し、より自由で応答的な世界をかたちづくるデザインの役割について考えます。(申込み不要)
開催日
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2025年10月20日(月) |
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時間
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19:00 ー 21:00 |
場所
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AXIS Gallery |
入場料 | 無料 |
主催 | Studio Suppanen |
協力 | AXIS Gallery |
プロフィール
ILKKA SUPPANEN( イルッカ・スッパネン, 1968年生)
世界で最も広く知られる現代フィンランド・デザイナーの一人。ヘルシンキ工科大学で建築を、ヘルシンキ芸術デザイン大学でインテリア/家具デザインを学び、アムステルダムのヘリット・リートフェルト・アカデミーにも1 年間在籍。1995年、ヘルシンキにStudio Suppanenを設立。 活動領域は建築からプロダクト/家具、硬貨のデザイン、自動車産業におけるラディカルなコンセプト提案、さらにインドのカーストを持たない人々やサンパウロのホームレスを支えるプロジェクトにまで及びます。 受賞多数。ヴェネチア建築ビエンナーレ、ニューヨーク近代美術館(MoMA)など世界各地で作品が展示され、 パリのポンピドゥー・センター等に永久所蔵。北欧デザインへの貢献により、トルステン&ワンヤ・セーデルベルグ賞(2015)、**カイ・フランク・デザイン賞(2020)**という北欧最大級の二つのデザイン賞を受賞。