タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルムにて、4年ぶり19回目の個展が開催されます。
森山氏は、1972年写真集『写真よさようなら』を発表。アレ・ブレ・ボケと呼ばれる荒れた粒子、焦点がブレた不鮮明な画面、ノーファインダーによる傾いた構図を特徴とした、既存の写真制度を覆すラディカルな表現で写真界を震撼させました。その後、低迷状態へと陥りもがき苦しむ時期を過ごしていたなか、1981年に『写真時代』(白夜書房刊)で「光と影」と題された連載を開始し、翌年に同名の写真集としてまとめられ日本写真協会年度賞を受賞。1982年から83年にかけては『アサヒカメラ』上で連載「犬の記憶」を持ち、写真作品とあわせて自伝的なテキストを執筆したほか、87年には同郷の写真家・安井仲治へのオマージュ写真集『仲治への旅』を刊行します。写真の本質を改めて問い直し、メディウムとのつながりを再構築しようとした森山氏は、その後『光と影』から発展する形で写真技術の祖であるニセフォール・ニエプス『サン・ルゥへの手紙』(1990年)を発表し、ファッションブランドのヒステリックグラマーとのコラボレーション『Daido hysteric』を行うなど、新たな取り組みを展開させていきます。
本展では、1980年代に制作されたヴィンテージ・プリント18点が展示されます。森山氏の写真家活動の中で一つの転換点となったこの時代に生み出されたプリントを、ぜひご覧ください。
Photo: 森山大道「犬の記憶・3」1982年、ゼラチン・シルバー・プリント、23.3 x 33.5 cm © Daido Moriyama Photo Foundation. Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film
開催期間
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2024年3月16日(土) ー 2024年4月13日(土) |
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時間
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12:00 ー 19:00
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定休日
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日曜・月曜・祝日
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場所
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タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルム |